OBV


移動平均線を考案したJ・グランビルが1963年に発表したOBV(オン・バランス・ボリューム=累積騰落出来高)は、出来高の増減と相場騰落の関係を折れ線グラフで表したものです。

OBV線の作成方法は、日々の出来高を、終値が前日比で高いか低いかによって正か負の値として分けて加算します。つまり、高く引けた日の出来高は前日までの値にプラスし、安く引ければこれを差し引きます。なお、終値が前日と同値の場合は、前日のOBVが増加していれば当日も出来高をプラスとし、前日がマイナスなら、当日もマイナスとします。

 

1日目のOBVは適当な数値を記入します。ここでは、マイナス表示をさけるため20,000としていますが0でも構いません。2日目は対前日比で安く引けたので、出来高5,482枚を20,000から差し引きます。3日目も同様です。4日目は高く引けたので、出来高4,406枚を加算します。

求めた値を折れ線グラフで表すと、値動きのトレンドと同方向に動く形が現れ、出来高と値動きの相関関係を如実に表します。また、値動きだけでは判断に迷う相場の転換ポイントも明瞭になります。

OBV1

 

 

 

 

 

【OBVの見方・記入要領】

UはOBVの上昇(UP)のことで、Dは下降(DOWN)を表します。

  • OBVの数値が直近の最高値を上回ったときにUマークを記入。さらに高い数値が続けば新たにUマークを追加。
  • OBVの数値が直近の最低値を下回ったときにDマークを記入。その後低い数値が続けばDマークを追加。
  • Uマークが続いた後で一時的に低い数値が出ても、直近の最低値を下回らない限りDマークは記入しない。Dマークの後で一時的に高い数値が現れたときも同様で、Uマークの記入要件を満たしていなければ記入しない。

OBV2

 

 

 

 

【OBVによる売買の判断】

基本的には、OBV線が上昇傾向にある時は、出来高を伴う相場上昇を意味しますので、反転するまでは逆向かいは禁物といえます。また、下降傾向ならば買いエネルギーに乏しい下げ局面であるため、安易な値こぼれ買いは避けるべきとされます。なお、OBVの数値の大小やプラス・マイナスはさほど重要視されず、方向性とトレンドがポイントになります。

 

OBVを用いた単純な売買方法としては、Uマークが出れば買い、Dマークが出れば売りといった方法があります。この方法だと基調転換に乗り遅れることは減少しますが、目先のブレにだまされやすい欠点もあります。

 

そこで、OBVに支持線・抵抗線やトレンドの考え方を適用する方法があります。OBV線が中長期的に見た上値抵抗レベルを上回った場合は相場の基調が強く、1つ、もしくは2つ以上のUマークを伴って上放れたときは重要な買い信号とされます。逆に、長期的に見た下値支持レベルを下回った場合は基調が弱く、1つ、あるいは2つ以上のDマークを伴う下放れは売り信号とみなされます。

 

なお、Uマークの翌日にDマークが出たり、Dマークの翌日にUマークが出たり、という場合を特別に「一日反転」と呼びますが、このケースでは当面は反転した方向に動く確率が高いといわれます。つまり、反転した方向につく方法が有効だとされています。

 

OBVの問題点として、わずかの上昇、下落によっても1日の出来高がプラスあるいはマイナスに偏るという状態が考えられるため、値動きの大小で比重を変える方法などがあります。また、商品先物相場では限月ごとの出来高を用いるか、総出来高を用いるか、意見が分かれますので注意が必要です。限月ごとの分析に疑問が生じるのは、期先に人気が集まり、期近に回るにつれ出来高が細るのが一般的な特徴であるからですが、限月ごとに人気が異なる銘柄に総出来高での分析は適切ではないとの指摘もあります。