アームズ・ボックス


出来高対応チャートとも呼ばれるアームズのボックス・チャートは、米国のテクニカル・リサーチ社の子会社、ヴォリュメトリックス社の取締役であるリチャード・W・アームズ・ジュニアが、著書「出来高で儲ける法」で紹介したものです。

ボックス・チャートは支持線、抵抗線の強さ・弱さや、トレンド形成時の上昇・下降の勢いを推し量るという目的で使用され、出来高の大きさによって価格変動の「背後にある動きの強さ」や「切迫度」を推計することを基本的な考え方としています。具体的には価格と出来高を1つのグラフの中で表示することによって、価格の背後にある動きを分かりやすくしようとしたものです。

日々の値動きをボックス型で表示するわけですが、ボックスの縦幅は当日の高値と安値の値幅、横幅は出来高になります。

出来高の幅の取り方は、チャートを描く直前の「妥当な期間」(後述)の出来高の平均値の3分の2倍を1ポイントとして用い、当日の出来高からポイント数を計算したものです。

例えば、1ポイントを2万枚とした場合、当日の出来高が4万枚であれば2ポイントとしてチャートに記入します。なお、当日の出来高が4万枚を一枚でも越えると、3ポイントとして記入します。

ボックス・チャートの作成で最も重要なのは、ポイント数の基本となる出来高を平均するための「妥当な期間」とされ、考案者のアームズは、「株式の場合、2年間の平均がよい」と述べています。

商品先物相場では、限月制度や季節的要因を考慮すると、6ヵ月、または1年程度の期間が妥当だと思われます。

 

【ボックスの形の持つ意味】

アームズは、ボックスの形状を「縦長のボックス」、「正方形に近いボックス」、「横長のボックス」と3つに分け、それぞれの特徴を次の1~3のように述べています。

 

1.縦長のボックス

縦長のボックス型は、価格が上昇、下降するために、大きな出来高を必要としないことから、価格が上下に動きやすいことを表しています。つまり、価格が上昇途上の段階でこの形が現れれば、その後さらに上昇が期待でき、下降途上であれば一段の安値が予想されることを意味します。

 

2.正方形に近いボックス

縦と横がほぼ同じ長さのボックス型は、価格を動かすために大きな出来高を必要とすることから、値動きが困難なことを示します。

仮に、ある銘柄の上昇途上でこの形が出た場合は、売り圧力の高まりに遭遇しているときです。そのため、この形が出たら、それまでによほど強い買いエネルギーの高まりがないかぎり、相場は売り場を迎えていると考えられます。逆に、下降途上でこの形が出たら、相場は買い場を迎えていることになります。

 

3.横長のボックス

横長のボックス型の持つ意味は正方形に近いボックスとほぼ同じですが、横長のボックスの方が強い信号だといえます。

 

ボックス型の横幅のポイント数は、一定期間の出来高の3分の2倍を用いています。つまり相対的な出来高の評価をしているので、その時々の相場の注目度合いによっては、出来高が多く大きなボックス型が頻繁に出る期間や、出来高が少なく小さなボックス型の形状が多く現れる期間があります。

そのため、出来高の平均期間を長いスパン(商品であれば6ヵ月か1年)とする場合、ボックス型の形状を判断するだけでなく、近接するボックス同士を比較対照する必要があります。