一目均衡表


過去の値段やトレンドなどが重視される一般的なテクニカル分析では、時間の概念は二次的に扱われる傾向があります。値段は二次的な要因に過ぎないとの考え方に基づく、時間を主体としたテクニカル分析の1つが「一目均衡表」です。

株価チャート研究者の一目山人が考案した一目均衡表は、①基本数値と②対等数値、およびこれらを基礎とする③転換線、④基準線、⑤先行スパン、⑥遅行スパン、さらに⑦準備構成、⑧足型、⑨均衡表計算値-といった要素を総合的に扱うことで、相場を的確に判断しようとするものです。

 

【基本数値と対等数値】
基本数値と対等数値は、相場の変化日を推定するために用いられます。変化日とは、「波乱含みの日」と解釈され、何らかの変化が起こる日、すなわち、相場が反転するか同一方向への値動きが延長・加速される日を意味します。

波動形成日数の測定に用いられる基本数値は、エリオットの波動理論では、1、1、2、3、5、8、13…というフィボナッチの数列が基本とされますが、一目山人はシミュレートを繰り返した結果として9、17、26、および33、42、52、65、76、129、172、226…といった数値を用いています。また、基本数値は9、17、26を組み合わせた数値となっており、42という数字は、17+26-1の組み合わせで成り立っています。なお、この-1とは、起点となる日が重なる分をマイナスしたものです。

一方の対等数値は、それまでの波動形成日数に対等する値であり、変化日までの日数計算に用いられ、波動Cとの対等値、もしくは、A+B、B+C、A+B+Cといった複合値となります。

一目均衡表1

 

【基準線】
基準線とは過去26日間(基本数値)の高値と安値の平均線(高値と安値の合計値を2で割った値を結んだ線)のことです。

 

【転換線】
転換線は、基準線の26日に対し、過去9日間の高値と安値の平均線を指します。転換線が基準線より上に位置すれば買いの局面、下であれば売り局面と見ますが、これだけで売買のタイミングを決定するのは困難です。

 

【遅行スパン】
遅行スパンは一目均衡表のさまざまな要素のうちで、最も重要な線とされますが、記入要領は、その日の終値を26日さかのぼった地点に書き込むだけと簡単です。

その見方は、遅行スパンが下方から26日前の足型を突破すれば上放れとみなします。しかし、その寸前までいきながら、当日の相場が下げたために突破できなかった場合、相場は下落基調をたどるとされます。逆に、26日前の足型の上方に位置していた遅行スパンが足型を下抜いた場合は売りのポイントとなり、下抜かなければ強気相場の継続を暗示します。

 

【先行スパン】
現在の値動きが一定期間後にどのような影響を及ぼすのかを2本の線で示すもので、先行スパン1は、基準線と転換線の平均値を求め、26日先に毎日記入し、それを結んだ線です。先行スパン2は、過去52日間の最高値と最安値の中間値を26日先の地点に記入し、それを結びます。

また、先行スパン2本の間を塗りつぶすと雲と呼ばれる帯状のものになり、これを支持帯、あるいは抵抗帯と見ます。なお、相場が支持帯を下向きに突破すると売り局面への転換となり、それまでの支持帯は抵抗帯へと変化します。逆に、相場が抵抗帯を上方へ突破すると相場は買い局面へと変わり、それまでの抵抗帯はその後、支持帯へ変化することになります。

 

【準備構成と天底の足型】
一目均衡表での分析が最も有効なのは、安値圏で底打ちの形(ダブル・ボトムや逆三尊型など)が出現し、基本数値の26日を経過した場合などの準備構成が完了している銘柄とされます。一目均衡表は週足にも応用できます。

 

【一目均衡表の計算値】
相場の目標値計算方法、いわゆる、上値や下値のめどを探る方法です。E、N、V、NTという目標を計算しますが、それまでの波動を基準としている点でエリオットの波動理論での目標値算出方法と相通じるところがあります。

 

一目均衡表2

 

神秘性もあるため根強いファンを持つ一目均衡表ですが、商品相場では、これを応用できる期間が限られるという問題点があります。特に、発会後6ヵ月のうちに納会を迎える銘柄に関しては顕著です。先行スパンや遅行スパンを全てチャート上に書き込むには、発会後52日の経過が必要であるため、大きな流れを一目均衡表で読むには限月ごとのチャートではなく、つなぎ足に頼らざるをえないからです。