ピボット(PIVOT)


ピボットはRSIやパラボリックでおなじみのJ・W・ワイルダー氏が考案し、最も一般的なピボットとして商品相場で使われてきたものです。正確にはフロアピボットと呼ばれています。

この一般的なピボットのほかに、4つの異なるピボットもありますので、ここではそのピボットを含めた5つのピボットについて説明します。

PIVOTの計算式

前日の足から当日の基準を決めます。始値以外の3つを足して平均します。

ピボットポイント(P)=(前日の高値+安値+終値)÷3

このピボットポイントを中心にサポートとレジスタンスを導き出します。

R1=P+(P-前日安値)
R2=P+(前日高値-安値)
R3=R1+(前日高値-安値)

S1=P-(前日高値-P)
S2=P-(前日高値-安値)
S3=S1-(前日高値ー安値)

ピボットを使ったトレード手法

ピボットは通常「逆張り手法」として考えます。たとえば、R1、R2に接近したら買い、S1、S2に接近してきたら売るといった考え方です。また、買いの場合S3・LBOPは損切りラインとなり、売りの場合R3・HBOPは損切りラインとなります。

 

■買いの場合

S1=押し目買い

S2=買い増し

S3・LBOP=損切り

R1=買った場合の利確ポイント

 

■売りの場合

R1=戻り売り

R2=売り増し

R3・HBOP=損切り

S1=売った場合の利確ポイント

4つの異なるピボット

一般的なピボットのほかに、4つの異なるピボットもありますので、ここではそのピボットについて触れておきたいと思います。

  • ピボットレンジ
  • Camarilla ピボット
  • フィボナッチピボット
  • Woodie ピボット

■ピボットレンジ

ピボットレンジは、マーク・B・フィッシャー氏によって考案されたACDシステムで使用されているピボットです。

ピボットレンジとは、買い手が買いのお膳立てを用意するエリア(支持線)であり、売り手が支配するエリア(抵抗線)です。つまり、ある期間の高値と安値と終値から算出するこのレンジに注目することで、支持線や抵抗線ができそうばエリアを探しやすくし、これらの水準をブレイクすることで大きな動きを期待できるという物差しを活用してトレードを行う手法です。一般的なピボットは逆張り手法であるのに対し、このピボットはトレンドフォロー系の手法と云えます。

ピボットレンジの計算方法

(高値+安値+終値)÷3 = ピボット価格1

(高値+安値)÷2 = ピボット価格2

ピボット価格1 ‐ ピボット価格2 =ピボット差

ピボット価格1 ± ピボット差 = ピボットレンジ

前日の終値と当日のピボットレンジを比較して、マーケットの基本的な強弱やセンチメントを確認します。もし前日の終値が当日のピボットレンジよりも高ければ、当日のトレンドは強気で臨み、もし前日の終値が当日のピボットレンジよりも低ければ、当日のトレードは弱気で臨むといった考え方でトレードを行います。具体的な手法についてはここでは割愛させていただきます。

 

■Camarilla ピボット

Camarillaによる計算式はNick Scott氏が考案し、ピボット・ポイントの計算はフロアピボットと同じですが、RやSの計算式が異なり、ピボット・ポイントの上に5本のレジスタンスライン、下に5本のサポートラインを描画し、合計で10本のラインを引くのが特徴です。

Camarillaピボットの計算方法

R5 = 終値 × 高値 / 安値

R4 = 終値 + (( 高値 – 安値) × 1.5000)

R3 = 終値 + (( 高値 – 安値) ×1.2500)

R2 = 終値 + (( 高値 – 安値) ×1.1666)

R1 = 終値 + ((高値 – 安値)× 1.0833)

ピボットポイント(P)= (高値 + 安値 + 終値) ÷ 3

S1 = 終値 – (( 高値 – 安値)× 1.0833)

S2 = 終値 – (( 高値 – 安値)× 1.1666)

S3 = 終値 – (( 高値 – 安値)× 1.2500)

S4 = 終値- (( 高値 – 安値)× 1.5000)

S5 = 2 ×終値 – R5

この計算式が何を表しているかは不明ですが、ラインの多さも関係して機能する確率が高いということで、このシステムを採用する海外トレーダーも多いようです。

簡単な使い方としては、R3までの上昇は逆張りの戻り売りスタンスし、それよりも上のR4を超える場合にはブレークアウトで追随買いを狙う戦略です。売り戦略は買いの逆になります。

 

■ウッディピボット(Woodie’s Pivots)

Woodieピボットも計算方法の違うピボットの一つで終値を加重評価する考え方を採用しています。ピボット・ポイントと上下に2本のラインを引きます。

Woodie ピボットの計算方法

R3=P+2×(高値-安値)

R2=P+(高値-安値)

R1 =(2× P) – 安値

ピボットポイント(P)=(高値+安値+(2×終値))÷4

S1=(2×P)-高値

S2=P-(高値-安値)

S3=P-2×(高値-安値)

 

■フィボナッチピボット(Fibonacci Pivot)

Pivotの計算式にフィボナッチ比率を掛け合わせたものがフィボナッチピボットです。フィボナッチピボットにはR3とS3の外側に「ブレイク」と呼ばれる数値があるのが特徴です。基本的な使い方は通常のピボットと同じと考えてよいです。

フィボナッチピボットの計算方法

ブレイク=P+(前日高値-安値)×1.382

R3=P+(前日高値-安値)×1

R2=P+(前日高値-安値)×0.618

R1=P+(前日高値-前日安値)×0.5

ピボットポイント(P)=(前日の高値+安値+終値)÷3

S1=P-(前日高値-前日安値)×0.5

S2=P-(前日高値-安値)×0.618

S3=P-(前日高値-安値)×1

ブレイク=P-(前日高値-安値)×1.382

上記のピボットを応用すると、逆張りだけでなく、ほかのテクニカル指標と組み合わせたり、時間軸の分析を組み合わせて、トレンドフォロー系の指標として活用することもできます。